社労士ぴょん吉と、お客のズル助の話

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      ~グッときちゃった~

 

ガマちゃんです。こんにちはー。
まりこさんが行った社労士の講習で、グッときた話。

お話ししてくれた社労士さんの名前を「ぴょん吉」にして、話を進めます。

 

ぴょん吉は、開業したばかりの頃、ある人に出会いました。
その人の名前は、「ズル助」にします。
人格をあらわす名前ですね。

 

ズル助は、ぴょん吉に持ちかけました。
「なぁ、この、国に納めるお金を、少なく計算して(=ちょろまかして)くれたら、あんたと契約してやるよ」

 

ズル助の提案は、例えるなら「脱税の片棒を担いでくれ」と同じことです。

国家資格のもとに仕事をしているぴょん吉は、そんな提案を受け入れるわけにはいきません。
違法行為が原因で、資格を取り上げられてしまうこともありますからね。

 

ぴょん吉は、ズル助を説得しました。
結局、ズル助も納得し、正しい金額を国に納めました。
その上、ぴょん吉と継続的な契約もしてくれました。

 

めでたし、めでたし。

 

そして時は流れ…
ぴょん吉の仕事も順調です。
ズル助は、時々、自分の知り合いを紹介してくれます。

 

が!
驚いたことに、ズル助に紹介されてやってくるお客さんは、皆、同じことを言い出すのです。
「なぁ、この、国に納めるお金を、少なく計算して(=ちょろまかして)くれない?」

 

ズル助と同じ!
類は友を呼ぶのです。

 

ズル助も、相変わらず、妙な提案をしてくることがあります。

 

ぴょん吉は、違法行為はイヤだと思っていました。
「資格を取り上げられてしまうから」という理由だけではありません。
仕事をする上での、「信念」「正義」を持っていました。

 

同じような信念や正義を持っているお客さん達と、長くお付き合いしていきたいと思いました。

 

ぴょん吉は、決断しました。
ズル助と、ズル助関連のお客さんとは、縁を切ろう。
信念や正義に基づいて、それに共感してくださる方達のために、働こう。

 

スパッと契約を終えることはできなかったけれど、いったん決断すれば、実行あるのみ。
ちゃんと、ぴょん吉は、実行しました。

最終的に、ズル助と、ズル助関連のお客さんとは、縁を切りました。

 

以後、ぴょん吉の周りには、信念や正義に共感してくださるお客さんが増えてきました。
今、その人達のために、一生懸命働いています。

 

めでたし、めでたし。

 

…で終わると、フツーの「いい話ですねぇ」なんですけど。
まりこさんがグッときたのはね。

 

最初に、ズル助が、提案しますよね。
「なぁ、この、国に納めるお金を、少なく計算して(=ちょろまかして)くれたら、あんたと契約してやるよ」

 

実はこの時、ぴょん吉は、心が揺れたと言うんです。
なにしろ開業したばかり。
お客さん、いません。お金、ありません。稼がなきゃ、食べていけません。
家族、養わなきゃ。家賃、払わなきゃ。借金、返さなきゃ。エトセトラエトセトラ。

 

契約してくれる、なんて人は、それこそ光り輝いて見えたんではないでしょうか。

 

ちょっとくらい、金額減らして国に申告しても、大丈夫なんじゃん、ばれないんじゃん?
現実の生活を考えたら、ちょびっとズルして契約してもらうほうが、いいんじゃん?

 

実はぴょん吉は、こんなふうに心が揺れたと言うんです。

 

まりこさんは、ここらへんにグッときたそうです。
現実の厳しさの中で、信念や正義がぐらつくこともありますね。
その、人間の弱さにグッときた。
でも、そこを踏みとどまったぴょん吉の強さに、グッときた。
実体験をお話ししてくれたことに、グッときた。

 

まりこさんは、グッときて、講習中の眠気も覚めたそうですよ。


めでたし、めでたし。

 

ん? なぜぴょん吉という名前にしたのか、ですか?
前に、家に「かえるぴょん」という名前のヒキガエルがいたからですよ。ふふふ。